この数年、中古車が高い。正規ディーラーの認定中古車展示場には、ほとんど走っていない新車に近いデモカーがずらりと並ぶ。なかには、半年前に登録した走行50kmなんていう車両もあったりして、それはそれで中古車選びの幅が広がったのだが、もちろん新車価格に近いプライスタグが付けられている。その傾向に引っ張られるように、専業店の、特に大規模な量販店にもデモカーに近い車両が並ぶ。つまり、中古車の最大の魅力ともいえる絶対的な「安さ」、そして、選ぶ楽しさが感じられないのである。
いっぽうで、最近になりもうひとつの潮流が加速しつつある。新車ユーザーの保有年数が平均7年にまで伸びたいま、その優良な7年落ちのワンオーナー車を正規ディーラーやクルマ屋さんが販売するケースも増えている。さらに、そのセカンドオーナーが手放した車両、登録から10~15年のクルマもこれから増えていくだろう。クルマ好きにとっては良い流れだ。この20年いろいろあった中古車市場は、クルマを楽しめたあの頃、お宝グルマ探しを楽しめたあの頃に戻り始めているのかもしれない。
さて、「車 市場」では、幅広い層に、ヤングタイマー=若い自動車愛好家が気軽に買うことができる安価なネオクラシックカーの購入を特に推奨したいと思う。
本来、ヤングタイマーとは、初度登録から15~30年ほど経過しているクルマで、一番旧いモノで80年代後半に発売された国内外の車両といったイメージだが、私たちは初度登録から10~30年くらいの中古車をヤングタイマーと呼ぶことにする。
このヤングタイマーの条件は、コンディションが良いクルマであること、安価なこと、乗って楽しいクルマであること、所有する喜びを感じられるクルマであること、この4つだ。
そして、ガレージの奥に仕舞い込むのではなく、「ヤングタイマーをファーストカーとして使っていこう」というのが私たちのスタンスである。
「車 市場」の名車館ステージでは、厳選した魅力溢れるヤングタイマーをガンガン紹介し、皆様のカーライフをより楽しいものにしていくお手伝いができればと考えている。まずは、様々なショップのヤングタイマーが登場するこのコンテンツの記事を楽しんでいただきたい。