今週の大穴グルマ 番外編
激戦を制して1位を獲得したのは、ポルシェセンター西宮 甲子園認定中古車センターがストックしていた993カレラだ。993と言えば、911ファンには特別な意味を持つ空冷フラットシックスの最終版である。しかも稀少価値の高いマニュアル・トランスミッション! ティプトロニックではなく、MTの993カレラが正規ディーラーの展示場を飾るのは非常に珍しい。というか、奇跡と言っても過言ではない。964や993のMT車は市場に出る前に予約者の手に渡ってしまうからである。ではなぜ出てきたのか? 答えはいたってシンプル。株安による景気低迷の恩恵だ。いつの時代も不景気になると趣味性の強いクルマの“動き”はパタリと止まる。だから、エンスーモデルを探している人にとってはこの時期が好機なのだ。
とはいうものの、993カレラの相場は販売終了から10年以上が経ったいまも高値安定が続いている。450万円前後を下限として、モデル末期に登場したワイドボディのカレラSなら800万円前後のプライスタグを付ける個体も珍しくない。さすが空冷ラストモデル、後継の996カレラとほとんど同じ価格帯で推移している。完全なプレミア相場と言えよう。そして、ティプトロニックとMTは、新車時の価格差が逆転しているのも特徴のひとつ。MTが100万円くらい高いと思っていい。MTは数が少なく、需要が供給を上まわっているからである。
正規ディーラーでは二度と出てこない可能性もあるマニア垂涎の993カレラ・MT。認定中古車.comが太鼓判を押す大穴グルマだ。
964型カレラの後継モデルとして993型カレラが登場したのは1993年秋。上段でも触れたように空冷フラットシックスの最終版となったモデルだ。それまで911のアイコンになっていた“カエル顔”を刷新、フロントフェンダーは前方に向かって緩やかに下降し、ヘッドライトは溶け込むように配置されている。とはいうものの、ウィンドスクリーンの角度は相変わらずきついし、5連メーターを始めとするダッシュボードのデザイン、そしてオルガン式ペダルも、993終焉までの33年間、ついに手が入ることはなかった。最大のトピックとなるリアサスペンションは、ナロー以来のセミトレーリングアームからマルチリンクとなったことでスタビリティを大幅に向上させている。1996モデルから、パワーユニットにヴァリオラム(可変吸気機構)を搭載、またターボ用の4WDシャシーとボディが与えられたカレラ4Sも追加設定された。さらに1997年モデルではターボ・ボディにRWDを組み合わせたカレラSも登場している。
★全長×全幅×全高 4245×1730×1300mm ★車重1370kg ★エンジン 3.6リッター水平対向6気筒DOHC ★最高出力/最大トルク 285ps/34.7mkg ★トランスミッション 6段MT ★新車価格 ¥10,762,500
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