今週の大穴グルマ SUV編
激戦の末、僅差で1位を勝ち取ったのはご覧のようにメルセデス・ベンツ G320ロングだ。詳細を説明する前にお耳に入れておきたいのは、SUVというカテゴリーに入るすべての中古車の相場が落ちてきているということ。いまのところ例外となるモデルは「存在しない」と言い切っていい。景気の冷え込み、ガソリン高、コンパクトカー人気、そしてSUVブームが一段落したことなど、多数の要因が重なって相場を引き下げているのである。
これまで慢性的なタマ不足が続き、価格が高騰していた超人気モデルのGクラスも、1年ほど前からようやく正常な価格帯で推移するようになった。今回は既に絶版となっているG320ロングをチョイスしたけれど、もちろんG500ロングだって狙い目なのは言うまでもない。
さて、このG320ロング。高騰していた相場を知る人にとっては信じられないプライスだろう。V6ユニットを搭載するエントリーグレードとはいえ、500万円の大台どころか、400万円を切っている。しかもディーラー・メカニックの手により徹底した納車整備が施されるのだ。レザーシートは装着されていないものの、通勤からアウトドアまでガンガン使う人にとってはむしろ好都合だと言える。
Gクラスの相場にも触れておこう。中古車価格は1100万円前後を上限として550万円付近が下限だ。G320ロングはG500ロングの約100万円安とみていい。前述したように相場は下降線をたどってきたけれど、需要と供給のバランス、そして人気度からみて、このあたりで価格が落ち着くのは間違いない。ゆえに、Gクラスはいまが買い時ということだ。ご覧のG320ロングが証拠物件である。
SUVというカテゴリーが生まれる遙か昔の1979年にメルセデス・ベンツが軍用としてリリースしたGクラス。戦地で使うことを想定していたわけだから、快適性や見た目のカッコよさより耐久性や機能性を優先して開発された。でも、その飾り気のない無骨なスタイリングが、現代の都会に暮らす人、特に富裕層に受けたのだ。フロントグリルに輝くスリーポインテッドスターを使った究極のハズシ技である。果たして、その人気はいまも衰えることがなく、GLクラスが登場したいまも好調なセールスを記録している。メルセデス・ベンツは数年前から今度こそ最終モデルと公言しながらも、マーケットの声に応えるかたちで、度々生産終了を見送ってきた。現在、5リッターV8SOHCユニットに7段ATを組み合わせたG500ロングのみが正規輸入されている。ちなみに、G500のショートボディは2001年に、3.2リッターV6のG320ロング/ショートは2006年にカタログから姿を消している。
★全長×全幅×全高 4490×1810×1970mm ★車重 2310kg ★エンジン 3.2リッターV6SOHC ★最高出力/最大トルク 215ps/30.6mkg ★トランスミッション 5段AT ★新車価格 991万2000円
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