先ほど、九州で見たパナール24Cの画像をアップしましたが、そういえば・・・と思い、家の中をガサガサしてみたところ、以前、近所のクルマ好きマダムからいただいたパナールのカタログが出てきました。
1890年から自動車の製造を開始したパナール(フランス)は、第二次世界大戦前は高級車メーカーでしたが、戦後は進歩的な小型車を量産するブランドへと転身しました。
1946年にリリースされたディナは、アルミ合金製のセミモノコック・ボディに空冷水平対向2気筒エンジンを搭載した革新的な前輪駆動車でした。このディナは、1954年に、より近代的なスタイルを採用した新型となり、さらに1960年にボディを総アルミ製から鉄製へと変更したPL17に進化しました。
PLとはパナール・ルヴァッソール(フロントエンジン・リアドライブ・ガソリン自動車の始祖)のイニシャルで、17とは2気筒、4段変速、5ドア(トランクリッドを含む)、6人乗りの数字を足したものだといわれています。
PL17の後継車として1963年に登場した24は、基本構造こそPL17のままでしたが、ホイールベースを短くし、まったく新しいデザインの2ドアボディを採用したスタイリッシュなクルマでした。最初に登場したのはクーペ・ボディの24Cで、パナールの歴代高性能グレードである『ティグル』仕様が積んでいた高出力エンジン・バージョンの24CT、そして、ホイールベースを延長した5座セダンの24B(ベルリン)、その高性能版である24BTが追加されました。
パナールは1965年にシトロエンに吸収合併され、その時点でPL17は生産中止となりました。その後、シトロエンのもとで、24シリーズがID19とアミ6の間を埋める車種の役割を果たしましたが、シトロエンGSに道を譲るかたちで1967年に24も生産中止となり、パナールの名が自動車界から消えました。