今週の大穴グルマ SUV篇
さて、1位を獲得したのは、2002年にデビューを果たした第3世代のレンジローバーだ。取り上げた物件は2005年の初度登録だから、BMW製のパワーユニットを搭載する最終型。レンジローバーは、ランドローバー社がBMWからフォードの傘下へ移行したことにより、この年に実施されたマイナーチェンジでジャガー製のエンジンに換装されている。
とりあえず、価格と走行距離の欄に並ぶ数字を見て驚いた方が多いと思う。走行1.1万kmで498万円! なのである。2年ほど前なら、第2世代の価格帯だ。この個体は高額なオプションを満載しているから、新車価格は軽く1000万円を超えているはず。理屈抜きに安い! そうなのだ。景気の後退にともない新世代レンジローバーの中古車相場もじりじりと値を下げていたのである。特にBMWエンジンを積む2002年~2005年式は、SE/HSE/ヴォーグともに、500万円台の予算でコンディションが抜群にいい認定中古車にらくらく手が届く。大穴度は非常に高いと思って間違いない。
クルマ好きの方ならわかると思うが、エクステリアとインテリアに漂う上品な高級感、上質な乗り心地、そして高速道路での高い安定性などを総合的に考えれば、500万円というのはまさにバーゲンプライス!
ちなみに、ジャガーエンジンを搭載する2006年モデル以降のレンジローバーは、流通量がぐーんと増えるものの相場はさすがに700万円台前半~1000万円付近から落ちてこない。やはり「大穴」を狙うなら初期型のBMW版だ! 根気強く探せば、必ず「一生モノのレンジ」に出逢えるはずである。
レンジローバーは1970年に登場したランドローバーのフラッグシップモデル。初代から英国王室御用達のクルマに選ばれていることからもわかるように、オフロードの走破性とオンロードの快適性を高い次元で両立させた高級SUVのランドマークとなっているクルマだ。3世代目はBMWが開発を行い2002年に登場。パワートレーンは4.4リッターV8と5段ATの組み合わせで、もちろんともにBMW製である。装備により、SE/HSE/ヴォーグの3グレードが用意された。そして、2005年に実施されたマイナーチェンジでエンジンをジャガー製の4.4リッターV8と428psを叩き出すスーパーチャージャー付き4.2リッターV8に換装。トランスミッションもZF製の6段ATを採用、同時にフロントマスクにも若干の手が入っている。現在、ランドローバーブランドはフォードの傘下からも外れているものの、「レンジローバーらしさ」は、“親会社”がどこになっても脈々と受け継がれているのである。
HSE(2004)★全長×全幅×全高 4950×1955×1900mm ★車重2420kg ★エンジン 4.4リッターV8DOHC ★最高出力/最大トルク 286ps/44.9mkg ★トランスミッション 5段AT ★新車価格 950万円
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