実用車にもなるヤングタイマーはコレ
パーツが豊富なクルマは旧くても足になる/第6回
ヤングタイマーとは?
ヤングタイマーは、初度登録から15~30年ほど経過しているクルマのことで、一番旧いモノで'80年代後半に発売された国内外の車両といったイメージです。この頃に生産されたクルマといえば、デザイン性の高さや品質のよさをアドバンテージとしていました。いま見てもカッコよく、しかも実用性が高くって安価な点が特徴だといえます。本特集では、ヤングタイマーならではといえるそれらの魅力に着目し、毎月、車 市場 名車館 編集長の筆者(高桑)が気になるヤングタイマーをピックアップ。記事をアップしています。
「ヤングタイマー」を「実用車」として楽しむ際の注意点について
初度登録から15~30年ほど経過しているので、やはり、ヤングタイマーも年々良質なクルマが減ってきています。ショップ側の立場(視点)から申し上げると、販売車両の仕入れが困難な状況になってきているわけです。クルマに詳しくない方の中には、ヤングタイマーを最新の国産車を扱うような気軽な感覚で足として使用し、保管やメンテナンスも疎かにして、わずか数年で廃車にしてしまう心無い人もいます。ヤングタイマーに対する正しい知識とクルマへの愛情があってこそ「パーツが豊富なクルマは旧くても足になる」という記事が成立するので、これからヤングタイマーをゲットしようと思っている方は少しだけ心して購入に臨んでください。
フォルクスワーゲン ルポ GTIとは?
フォルクスワーゲンのボトムレンジを担う3ドア・ハッチバック・モデルとして1998年にデビューしたルポのスポーティグレード。いわゆる、ホットハッチです。ルポが日本に導入されたのは2001年からで、まず、排気量1.4リッターの直列4気筒エンジン+4速ATという“普及グレード”が販売され、ベーシック版の「ルポ」と上級版の「ルポ コンフォート」がありました。ルポ GTIは2003年から発売され、シリーズ最強/最大排気量となる、125psを発生する、1.6リッター、DOHC16バルブ直列4気筒エンジンに6速MTが組み合わされていました。
普及グレードよりもパワフルだっただけでなく、ルポ GTIはボンネット、ドア、フロントフェンダーをスチール→アルミにすることで軽量化を図っており(1010kgという、クルマが肥大化した今となっては驚異的な軽い車重を実現)、シチュエーションを問うことなく軽快な走りを楽しめました。その他、外観では、バイキセノン・ヘッドライト、フロント・ハニカムメッシュグリル、ルーフスポイラー、センター出しデュアルエグゾーストパイプ、ボディ同色バンパー、15インチ・アロイホイールなどがルポ GTI専用となる装備でした。
内装では、赤いシートベルト、セミバケット形状のシート(前席だけでなく後席も。そのため、乗車定員は4名)などを採用。また、前後の重量バランスが考慮され、バッテリーが車体後部に搭載されていました。ラゲッジルームはミニマムです。
ルポ GTIの走行フィーリングは?
「パワーを使い切る楽しさ」があるエンジンは低中速のトルクが豊富なので、それ利用して小刻みに6速MTをシフトチェンジすると、クロスレシオになっているギア比と相まって気持ちよくドライブできます。FF車なのでアンダーステアを出さないような運転を心がけるのがベターだといえ、そのことに集中すると、いつしかルポ GTIを走らせていることに夢中になってしまいます。ルポ GTIのボディサイズは軽自動車並みにコンパクトで、なおかつ、スポーティな乗り味を演出することにこだわったフォルクスワーゲンがコストをかけて軽量化したクルマなので、とにかく軽快な走りを楽しめます。小さくて軽量なMT車は、もはや貴重な存在なので、気軽に軽快な走りを楽しみたい方は稀代のジャーマン・ホットハッチをチョイスするといいでしょう。個人的には、パーソナルユースに見事に対応する最高のシティコミューターだと思うので、自宅の前の道路や車庫が狭い、という方に特にオススメです。
ユーロマチックで伺った話によると「パーツがたくさん流通しているので、通常のメンテナンスに関しては、まったく問題ありません」とのことでした。フォルクスワーゲン ルポ GTIは、少ないコストで維持できる趣味的ヤングタイマーの注目株ということになるでしょう。この機会に是非。
■フォルクスワーゲン ルポ GTI
税込車両本体価格:115万円
年式:2004年
走行距離:2.5万km
ミッション:6速MT
車検なし
修復歴なし
特記事項:D車、ワンオーナー、HDDナビ
■販売店舗
ユーロマチック
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文&写真/車 市場 名車館 編集長:高桑秀典