目的別ヤングタイマーの選び方/第7回
日常+週末ドライブ編
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はじめに/ヤングタイマーとは?
ヤングタイマーは、初度登録から15~30年ほど経過しているクルマのことで、一番旧いモノで'80年代後半に発売された国内外の車両といったイメージです。この頃に生産されたクルマといえば、デザイン性の高さや品質のよさをアドバンテージとしていました。いま見てもカッコよく、しかも実用性が高くって安価な点が特徴だといえます。本特集では、ヤングタイマーならではといえるそれらの魅力に着目し、毎月、車 市場 名車館 編集長の筆者(高桑)が気になるヤングタイマーをピックアップ。記事をアップしています。
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「ヤングタイマー」を「実用車」として楽しむ際の注意点について
初度登録から15~30年ほど経過しているので、やはり、ヤングタイマーも年々良質なクルマが減ってきています。ショップ側の立場(視点)から申し上げると、販売車両の仕入れが困難な状況になってきているわけです。クルマに詳しくない方の中には、ヤングタイマーを最新の国産車を扱うような気軽な感覚で足として使用し、保管やメンテナンスも疎かにして、わずか数年で廃車にしてしまう心無い人もいます。ヤングタイマーに対する正しい知識とクルマへの愛情があってこそ「パーツが豊富なクルマは旧くても足になる」という記事が成立するので、これからヤングタイマーをゲットしようと思っている方は少しだけ心して購入に臨んでください。
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ロータス・エラン(M100型)とは?
ロータス・エランという車名を聞くとS1~S4まで展開され、+2仕様までラインナップされたFRライトウェイトスポーツのことをイメージしがちですが、熱心なクルマ好きの脳内ではロータス初の量産FFスポーツカーとしてリリースされた2代目ロータス・エラン(M100型)も抜群の存在感を誇っています。
1989年に登場したM100型エランは、ロータスがGMの傘下だった時代に開発プロジェクトが立ち上がり、同じGMファミリーだったいすゞ製エンジンをフロントに積んでデビューしました。グレードは2タイプで、最高出力130psのNAエンジンを積む「エラン」と最高出力165psのターボエンジンを積む「エランSE」がラインナップされました。どうやら、いすゞが当時開発中だった1.6リッターエンジンの4XE1(特にDOHC4バルブヘッド)の設計にロータスが深く関与していたらしく、親会社のGMからもGMファミリーのエンジンを使うように、との指示があったことから、M100型のエンジンには4XE1とそのターボ版である4XE1-Tが選ばれたといわれています。
1992年まで生産され、ここで一旦造られなくなりましたが、1994年にGMから経営権を買い取ったブガッティのもとで復活し、S2モデルとして約800台(余っていたエンジンの総数だと言われる)が再生産されたといわれています。その後、生産設備一式が韓国の起亜自動車の手に移り、キア・ビガートという車名で1996年から1997年まで生産されました。日本にも少数輸入されたものの、各部がリセッティングされていたので、ロータスならではの高度なハンドリングを楽しむことはできませんでした。
高剛性スチール製バックボーン・シャシーに軽量なコンポジット製ボディを組み合わせているというロータスの基本レシピに則っていましたが、日本メーカーのパワーユニットを採用し、なおかつフロントエンジン/フロントドライブというFFレイアウトだったことからロータス・マニアの中にはM100型エランがデビューした際に敬遠した人もいました。
現在は、そのハンドリングのよさ、フロントの安定感、そして、優れたトラクションなどから万人に高く評価されています。
「世界一流のコーナリング・マシン」と呼ばれることすらある、M100型エランのハンドリングについて記述しますと、車体をロールさせながらも粘り強く路面をグリップさせ続ける優れたサスペンションにより、秀逸かつ世界一流と言っていいレベルのハンドリング性能を実現していました。
特筆すべきはリアサスペンションで、フロントと同じようにダブルウィッシュボーン式となっているこのリアサスがいい仕事をしてくれるので、FFレイアウトでありながらコーナリング中にリアタイヤが鳴くことすらあるそうです。なお、このハンドリングのよさは絶妙な数値となっているトレッド(ロータスによる的確なセッティング)によって実現しているものなので、純正よりも内側に入るプラスオフセットのホイールは使用不可となることを知っておきましょう。
重量バランスのよさ、女性でも座りやすいシート、ウィンドウシールドが小さく、ドライバーおよびパッセンジャーの肩が風に晒されてしまうほどの圧倒的な開放感、エアコンやパワーステアリングを装備していることなどによる使い勝手のよさなどもアドバンテージポイントとなっているM100型エランは、200万円台で購入できるFFリアルスポーツです。
良質のユーズドカーが少なくなってきているので、ずっと探していたというロータス・フリークは、この機会にお買い求めください。現車は英国仕様のターボモデルで、歴代オーナーによってキレイに維持されてきた、とてもコンディションのいい車両です。車検整備はロータス 世田谷|オーセンティックカーズが管理してきたので安心です。
晴れてM100型エランのオーナーとなり、たくさん走ろうと思っている方は、車検毎に整備するのではなく、6ヶ月点検(オイル交換など)および12ヶ月点検(ホイールを外しての整備)も活用しながらメンテナンスしていくのがベストです。時間的/金銭的に余裕があるときにきっちり整備しながら、M100型エランをパートナーとした自動車趣味生活を満喫してください。
□プライス&店舗インフォメーション
■ロータス・エラン(M100型)
税込車両本体価格:ASK
年式:1992年
初度登録:1994年
ボディカラー:モナコホワイト
内装カラー:ブラックハーフレザー/センタークロス
車検:2022年(令和4年)2月
走行距離:2.7万マイル
修復歴:無し
特記事項:右ハンドル、5MT、エアコン、パワーウィンドウ、パワーステアリング、ハーフレザーインテリア、ブラックトップ、点検記録簿有
■販売店舗
ロータス 世田谷|オーセンティックカーズ
住所:〒157-0073 東京都世田谷区砧1-3-10
TEL:03-3417-6777
営業時間:11:00~19:00(月・火~木・金・土)/12:00~18:00(日)
サービス受付:10:00~19:00(月・火~木・金・土)/10:00~18:00(日)
定休日:水曜日、年末年始
HP:https://authentic-cars.com
■文&写真/車 市場 名車館 編集長:高桑秀典