所要のため、スタッフカーのカングー1を購入したフランス車のプロショップ「サンク」を訪問した際、地下のストックヤードでとてもレアなルノー製アッパーミドルクラスセダンと出会いました。今ではまったく見かけることがなくなった絶滅危惧種の「25」ヴァンサンクです。1993年式ですから、フェイズ2となります。
当時も今も、フランス車といえば、ハッチバックの小型車か、フルゴネットなどの商用車、つまり、実用車やスポーツコンパクト作りには定評がありますが、フォーマルな高級サルーンとなると完全にお隣の国におまかせしているようなところがあります。
そんな事情を持つフランスの、しかもまだ公団だったルノーが開発し、1983年にリリースしたフラッグシップサルーンが「25」。ですから当時、フランスのVIPたちはこのクルマを使っていたわけです。ミッテラン大統領の公用車も「25」のリムジンだったそうですから、つまり、なかなかの豪華装備を持ちます。
日本に導入されたパワーユニットは、2.2リッター直4と2.7リッターV6、2.8リッターV6の3種、このクルマは2.7リッターV6版のV6i(140ps/22.4kgm)です。ボディサイズは、全長4720×全幅1810×1370mm、現行型Cクラスと同じくらいの外寸を持ち、3段ATを介して前輪を駆動します。
ところで、オドメーターに刻まれる数字を見て驚きました。なんと、11,700km!前オーナーは、ほとんど走らせずにガレージの奥に仕舞い込んでいたと言います。特に後席などは使われた形跡がまったくありません。
で、車両本体価格は98万円。こういう希少車になると、これが安いのか、高いのかは、まったく分かりません。でも、フランス車が好きな人にとっては、すごく買い得なプライスタグを付けていることは間違いないと思います。走行11,700kmなのですから…。
ルノー 25(ヴァンサンク)V6i
初年度登録1993年 走行11,700km AT
車両本体価格 98万円
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