名車もいいけど迷車もね!
迷車を育てると名車になる!?/第10回
はじめに/ヤングタイマーとは?
ヤングタイマーは、初度登録から15~30年ほど経過しているクルマのことで、一番旧いモノで'80年代後半に発売された国内外の車両といったイメージです。この頃に生産されたクルマといえば、デザイン性の高さや品質のよさをアドバンテージとしていました。いま見てもカッコよく、しかも実用性が高くって安価な点が特徴だといえます。本特集では、ヤングタイマーならではといえるそれらの魅力に着目し、毎月、車 市場 名車館 編集長の筆者(高桑)が気になるヤングタイマーをピックアップ。記事をアップしています。
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「ヤングタイマー」を「実用車」として楽しむ際の注意点について
初度登録から15~30年ほど経過しているので、やはり、ヤングタイマーも年々良質なクルマが減ってきています。ショップ側の立場(視点)から申し上げると、販売車両の仕入れが困難な状況になってきているわけです。クルマに詳しくない方の中には、ヤングタイマーを最新の国産車を扱うような気軽な感覚で足として使用し、保管やメンテナンスも疎かにして、わずか数年で廃車にしてしまう心無い人もいます。ヤングタイマーに対する正しい知識とクルマへの愛情があってこそ「パーツが豊富なクルマは旧くても足になる」という記事が成立するので、これからヤングタイマーをゲットしようと思っている方は少しだけ心して購入に臨んでください。
メルセデス・ベンツ 560SL(R107型)とは?
ガルウィングドアで有名な300SL、縦目で人気の2代目SL/W113型、それに続く3代目の2シーターオープンカーとして1971年に登場したのがR107型SLです。今回ピックアップした現車はハードトップが付いていますが、R107型SLはソフトトップおよび着脱式ハードトップを備えていました。「SL」とは、ドイツ語で軽量スポーツカーを意味する「Sport Leicht(シュポルト・ライヒト)」の頭文字です。初代SLこそ、その方程式で造られていましたが、2代目SLはサーキットとは決別した雰囲気となり、北米マーケットの富裕層をターゲットとしたR107型SLは、Sport LeichtからSuper Luxuryへと転身しました。