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2020年06月23日

目的別ヤングタイマーの選び方/第1回/日常+週末ドライブ+自動車趣味生活(ガレージライフ)編

目的別ヤングタイマーの選び方/第1回
 

日常+週末ドライブ+自動車趣味生活(ガレージライフ)編

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はじめに/ヤングタイマーとは?

ヤングタイマーは、初度登録から15~30年ほど経過しているクルマのことで、一番旧いモノで'80年代後半に発売された国内外の車両といったイメージです。この頃に生産されたクルマといえば、デザイン性の高さや品質のよさをアドバンテージとしていました。いま見てもカッコよく、しかも実用性が高くって安価な点が特徴だといえます。本特集では、ヤングタイマーならではといえるそれらの魅力に着目し、毎月、車 市場 名車館 編集長の筆者(高桑)が気になるヤングタイマーをピックアップ。記事をアップしています。

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「ヤングタイマー」を「実用車」として楽しむ際の注意点について

初度登録から15~30年ほど経過しているので、やはり、ヤングタイマーも年々良質なクルマが減ってきています。ショップ側の立場(視点)から申し上げると、販売車両の仕入れが困難な状況になってきているわけです。クルマに詳しくない方の中には、ヤングタイマーを最新の国産車を扱うような気軽な感覚で足として使用し、保管やメンテナンスも疎かにして、わずか数年で廃車にしてしまう心無い人もいます。ヤングタイマーに対する正しい知識とクルマへの愛情があってこそ「パーツが豊富なクルマは旧くても足になる」という記事が成立するので、これからヤングタイマーをゲットしようと思っている方は少しだけ心して購入に臨んでください。

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ポルシェ 928とは?

もはやポルシェと同義語となっている「911シリーズ」よりも上級のマーケットをターゲットとしていたポルシェ 928は、1977年にデビューしたラグジュアリーなグランドツーリングカーです。911よりも快適性が重視されており、911のように空冷水平対向6気筒エンジンをリアエンドに積むのではなく、928は新開発された水冷V型8気筒エンジンをフロントに搭載し、FRレイアウトを採用していました。水冷V型8気筒エンジンの排気量は、初期モデルの4.5リッターから最終的に5.4リッターにまで拡大されました。

928は当時ポルシェ社の社長であったエルンスト・フールマン氏の主導により、同社にとって象徴ともいえる911の代わりになるモデルとして開発されたともいわれており、発売当時よりAT車が用意されるなど、ポルシェのラインナップにおいてはひと際高級なグランドツーリングカーとして位置づけられていたわけです。車両本体価格自体も、911より高額でした。

次世代を担うグランドツーリングカーとして、1978年モデルから量産が開始された928の開発では、まず、軽量化が重要視されました。具体的に説明すると、ドア、フロントフェンダー、ボンネットのマテリアルとして、スチールではなくアルミニウムを採用。ボディに一体化されたプラスチック製バンパーの背面には、アルミニウム素材のパーツが組み込まれ、8km/h以下の速度で衝突した場合には損傷することなく復元できるようになっています。

928の丸みを帯びたフロントセクションには、丸型の電動ポップアップヘッドライトを装備。フロントと同じように丸みを帯びたハッチバックスタイルのリアには大型のウィンドウ(リッド)が備わっています。

また、928はFRレイアウトであっても前後の重量配分にこだわって設計されており、トランスミッションとデフと一体にしてリアアクスル側に搭載したトランスアクスル方式(セントラル・チューブでエンジンとトランスミッションをつないでいる)を採用。もっと分かりやすく説明すると、トランスミッションとデフをリアアクスルの手前にレイアウトし、センタートンネル内のプロペラシャフトを介してエンジンと接続することで、車重の理想的な前後配分を可能にしていました。

さらに928のリアアクスルには、全体的に新設計が施されました。ヴァイザッハ・アクスルと呼ばれるサスペンションの特徴は、トーインを安定化させる機能です。このメカニズム(パワーオフと制動時のトー角をイン方向に変化させ、クルマの姿勢を安定させる)はパッシブ・リアホイール・ステアリングとして機能し、優れた安全性を確保するために大きく貢献しています。

●928(1978-82年モデル)

リアスポイラーの無い丸みを帯びたリアエンドは、928ならではの特徴です。またこのモデルは後の派生モデルとは異なり、フロントスポイラー、リアスポイラーを装備していません。928の4.5リッターエンジンは、240psの最高出力を誇りました。

●928 S(1980-86年モデル)

928 Sはブラックのフロント/リアスポイラー、ボディカラーと同色となるサイドプロテクションストリップ、そして、サイドインジケーターライトを装備しています。エンジンの排気量は初期の4.7リッターから5.0リッター(1986年モデル)まで拡大されました。最高出力は300psで、1984年モデルでは310psを実現。触媒コンバータが採用された1986年モデルでは288psとなりました。1984年にS2、S3へと発展。

●928 S4(1987-91年モデル)

928 S4は、エアインテークを備えた丸みのあるフロントエプロンが印象的。傾斜したリアエンドでは、フラッシュサーフェスデザインのワイドなテールライトや後方に突き出たブラックのリアスポイラーが印象的です。5.0リッターエンジンを搭載し、最高出力は320psです。

●928 GT(1989-91年モデル)

928 S4よりもさらにスポーティなモデルで、トランスミッションは5速MTのみが設定されました。5.0リッター、V型8気筒エンジンの最高出力は330psまで増大。独創的なデザインのホイールが特徴です。

●928 GTS(1992-95年モデル)

928が進化し、最終発展型として結実した928 GTSには、張り出したリアフェンダー、レッドのリアライトパネル、ボディカラー同色のリアスポイラー、カップ・デザインのドアミラー、17インチのカップ・ホイールを標準装備。GTSに搭載された5.4リッター、V型8気筒エンジンは、最高出力350psを誇りました。

今回ピックアップしたのは1991年式のポルシェ 928 S4です。販売店舗のオートモービルアシスト・ブレスでは、代表の加藤さんが自分で乗りたいクルマを販売しているので、この928 S4も日常の使用+週末に楽しむドライブ+ガレージなどでの自動車趣味生活をじっくり楽しむことができます。

いまでも高い人気を誇る911シリーズが延命されたことにより、924、944、968、928といったトランスアクスル系のポルシェ製水冷FRスポーツカーたちはフェードアウトしていきましたが、どのモデルのデザインも洗練されていて旧さを感じさせないので、この機会にボスキャラ的な928に乗ってみてはいかがでしょうか。

□プライス&店舗インフォメーション
 
■ポルシェ 928 S4
 
税込車両本体価格:358万円
 
年式:1991年
 
走行距離:10万1000km 
 
ミッション:4速AT
 
車検:2年付
 
修復歴なし/内外装美車/機関良好
 
特記事項:左ハンドル、フル装備、サンルーフ、Wエアバッグ、黒革シート、パワーシート、社外HDDナビ、バックカメラ、ETC、キーレス、スペアキー、純正AW、タイベル交換済、取説/記録簿(多数)あり
 
■販売店舗
 
オートモービルアシスト・ブレス
 
住所:〒190-1214 東京都西多摩郡瑞穂町むさし野3-1-18 
 
TEL:042-539-2268
 
営業時間:(平日)9:30~19:00/(日曜・祝祭日)9:30~18:00
 
定休日:月曜日・第2火曜日
 
HP:http://www.blesscar.jp
 
文&写真/車 市場 名車館 編集長:高桑秀典 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

2020年06月28日

目的別ヤングタイマーの選び方/第2回/日常+ビジネスシーン編

目的別ヤングタイマーの選び方/第2回

 
日常+ビジネスシーン編
 
 
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はじめに/ヤングタイマーとは?
 
ヤングタイマーは、初度登録から15~30年ほど経過しているクルマのことで、一番旧いモノで'80年代後半に発売された国内外の車両といったイメージです。この頃に生産されたクルマといえば、デザイン性の高さや品質のよさをアドバンテージとしていました。いま見てもカッコよく、しかも実用性が高くって安価な点が特徴だといえます。本特集では、ヤングタイマーならではといえるそれらの魅力に着目し、毎月、車 市場 名車館 編集長の筆者(高桑)が気になるヤングタイマーをピックアップ。記事をアップしています。
 
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「ヤングタイマー」を「実用車」として楽しむ際の注意点について
 
初度登録から15~30年ほど経過しているので、やはり、ヤングタイマーも年々良質なクルマが減ってきています。ショップ側の立場(視点)から申し上げると、販売車両の仕入れが困難な状況になってきているわけです。クルマに詳しくない方の中には、ヤングタイマーを最新の国産車を扱うような気軽な感覚で足として使用し、保管やメンテナンスも疎かにして、わずか数年で廃車にしてしまう心無い人もいます。ヤングタイマーに対する正しい知識とクルマへの愛情があってこそ「パーツが豊富なクルマは旧くても足になる」という記事が成立するので、これからヤングタイマーをゲットしようと思っている方は少しだけ心して購入に臨んでください。
 
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メルセデス・ベンツ Sクラス(W126型)とは?
 
メルセデス・ベンツの上級サルーンは、いまでこそSクラスと呼ばれていますが、1965~1972年に発売されていたW108型の呼び名はまだSクラスではありませんでした。W108型は1972年に後継車であるW116型とバトンタッチし、それまで以上に安全へのこだわりを各所に反映。このW116型から、メルセデス・ベンツの社内でも正式に“Sクラス”という呼称が使われるようになりました。W116型は1979年に実施されたフルモデルチェンジによってW126型へと進化し、ショート・ボディ仕様のW126、ロング・ボディ仕様のV126、クーペ・ボディ仕様のC126という3種によってラインナップが構成されました。正規輸入車と同時に数多くの並行輸入車が販売されたことがW126型シリーズの特徴で、その背景には'80年代の日本がバブル景気の真っ只中にあったという当時ならではの世相が深く関係していました。
 
W126型シリーズは、先代モデルのW116型が有していた優れた走行性能、快適性、安全性を引き継ぎつつ、オイルショック後の時代背景を受けて、大型高級車ながらも経済効率を追求していました。具体的に説明すると、省エネルギーと環境保護を命題として徹底した空力特性の向上と軽量化が図られました。そして、風洞実験によって生み出されたボディは、突起や段差が無くされ、さらに車幅狭くすることで前面投影面積を減少させ、0.36という当時の量産車ではトップクラスのCd値を実現していました。W126型シリーズのデザインを担当したのは、W124型を手がけたことも有名なブルーノ・サッコ氏(メルセデス・ベンツに41年間在籍し、同社のデザイン哲学に新しい命を吹き込みました)で、同時期にデザインされた彼の作品は似たような意匠のグリルを採用していました。
 
SRSエアバッグやABSをはじめ、シート型デザインのパワーシート調整スイッチやシートベルトアンカーの高さ調整機構など、現在のクルマに欠かすことができない安全装備や運転環境を高めるディテールの数々はW126型シリーズから始まったといわれています。
 
 
W126型シリーズは、現在に通じる安全や環境のための技術を世界に先駆けて実用化した歴史的な上級サルーンで、1991年に生産終了となりました。12年間に及ぶモデルライフは歴代Sクラスの中で最長であることからも、いかにこのクルマが人気車であったのかを窺い知ることができるでしょう。
 
最善か無か、の精神が色濃い時代に造られたモデルなので各部のクオリティが高く、いまでも日常での使用はもちろん、その気になればビジネスシーンでも使うことができます。現車のオーナーになった方は、このままオリジナルの状態をキープし、しっとりとした乗り味を楽しみながら、常にピッカピカの状態で乗ってください。
 
 
□プライス&店舗インフォメーション
 
 
■メルセデス・ベンツ Sクラス 420SEL
 
税込車両本体価格:198万円
 
年式:1988年(昭和63年)
 
国内初登録:1988年(昭和63年)5月
 
車検:2021年(令和3年)5月まで
 
走行距離:75,300km
 
修復歴なし
 
特記事項:ディーラー車、ワンオーナー、車庫保管車両
 
■販売店舗
 
Garage ENZO 本店
 
住所:〒300-1211 茨城県牛久市柏田町3041-3
 
TEL:029-878-0911
 
営業時間:10:00~20:00(平日)/11:00~18:00(祝祭日)
 
HP:http://www.enzo.co.jp
 
文&写真/車 市場 名車館 編集長:高桑秀典

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