目的別ヤングタイマーの選び方/第2回
日常+ビジネスシーン編
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はじめに/ヤングタイマーとは?
ヤングタイマーは、初度登録から15~30年ほど経過しているクルマのことで、一番旧いモノで'80年代後半に発売された国内外の車両といったイメージです。この頃に生産されたクルマといえば、デザイン性の高さや品質のよさをアドバンテージとしていました。いま見てもカッコよく、しかも実用性が高くって安価な点が特徴だといえます。本特集では、ヤングタイマーならではといえるそれらの魅力に着目し、毎月、車 市場 名車館 編集長の筆者(高桑)が気になるヤングタイマーをピックアップ。記事をアップしています。
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「ヤングタイマー」を「実用車」として楽しむ際の注意点について
初度登録から15~30年ほど経過しているので、やはり、ヤングタイマーも年々良質なクルマが減ってきています。ショップ側の立場(視点)から申し上げると、販売車両の仕入れが困難な状況になってきているわけです。クルマに詳しくない方の中には、ヤングタイマーを最新の国産車を扱うような気軽な感覚で足として使用し、保管やメンテナンスも疎かにして、わずか数年で廃車にしてしまう心無い人もいます。ヤングタイマーに対する正しい知識とクルマへの愛情があってこそ「パーツが豊富なクルマは旧くても足になる」という記事が成立するので、これからヤングタイマーをゲットしようと思っている方は少しだけ心して購入に臨んでください。
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メルセデス・ベンツ Sクラス(W126型)とは?
メルセデス・ベンツの上級サルーンは、いまでこそSクラスと呼ばれていますが、1965~1972年に発売されていたW108型の呼び名はまだSクラスではありませんでした。W108型は1972年に後継車であるW116型とバトンタッチし、それまで以上に安全へのこだわりを各所に反映。このW116型から、メルセデス・ベンツの社内でも正式に“Sクラス”という呼称が使われるようになりました。W116型は1979年に実施されたフルモデルチェンジによってW126型へと進化し、ショート・ボディ仕様のW126、ロング・ボディ仕様のV126、クーペ・ボディ仕様のC126という3種によってラインナップが構成されました。正規輸入車と同時に数多くの並行輸入車が販売されたことがW126型シリーズの特徴で、その背景には'80年代の日本がバブル景気の真っ只中にあったという当時ならではの世相が深く関係していました。
W126型シリーズは、先代モデルのW116型が有していた優れた走行性能、快適性、安全性を引き継ぎつつ、オイルショック後の時代背景を受けて、大型高級車ながらも経済効率を追求していました。具体的に説明すると、省エネルギーと環境保護を命題として徹底した空力特性の向上と軽量化が図られました。そして、風洞実験によって生み出されたボディは、突起や段差が無くされ、さらに車幅狭くすることで前面投影面積を減少させ、0.36という当時の量産車ではトップクラスのCd値を実現していました。W126型シリーズのデザインを担当したのは、W124型を手がけたことも有名なブルーノ・サッコ氏(メルセデス・ベンツに41年間在籍し、同社のデザイン哲学に新しい命を吹き込みました)で、同時期にデザインされた彼の作品は似たような意匠のグリルを採用していました。
SRSエアバッグやABSをはじめ、シート型デザインのパワーシート調整スイッチやシートベルトアンカーの高さ調整機構など、現在のクルマに欠かすことができない安全装備や運転環境を高めるディテールの数々はW126型シリーズから始まったといわれています。
W126型シリーズは、現在に通じる安全や環境のための技術を世界に先駆けて実用化した歴史的な上級サルーンで、1991年に生産終了となりました。12年間に及ぶモデルライフは歴代Sクラスの中で最長であることからも、いかにこのクルマが人気車であったのかを窺い知ることができるでしょう。
最善か無か、の精神が色濃い時代に造られたモデルなので各部のクオリティが高く、いまでも日常での使用はもちろん、その気になればビジネスシーンでも使うことができます。現車のオーナーになった方は、このままオリジナルの状態をキープし、しっとりとした乗り味を楽しみながら、常にピッカピカの状態で乗ってください。
□プライス&店舗インフォメーション
■メルセデス・ベンツ Sクラス 420SEL
税込車両本体価格:198万円
年式:1988年(昭和63年)
国内初登録:1988年(昭和63年)5月
車検:2021年(令和3年)5月まで
走行距離:75,300km
修復歴なし
特記事項:ディーラー車、ワンオーナー、車庫保管車両
■販売店舗
Garage ENZO 本店
住所:〒300-1211 茨城県牛久市柏田町3041-3
TEL:029-878-0911
営業時間:10:00~20:00(平日)/11:00~18:00(祝祭日)
HP:http://www.enzo.co.jp
文&写真/車 市場 名車館 編集長:高桑秀典