さて、強豪を制して1位を獲得したのはアウディの誇る高級SUV、Q7 4.2FSIクワトロだ。まずは相場の話をしておこう。Q7には3.6リッターV6搭載モデルと4.2リッターV8版がある。前者が500万円台後半、後者は600万円台前半付近がスタートラインとなる。まだ導入から約2年しか経っていないモデルだけに両者とも走行距離の少ない個体には新車とほぼ変わらない価格が付く。
取り上げた物件は相場の最下限付近に位置する4.2FSIクワトロ。価格を引き下げる要因になったのは走行距離だろう。でも、約3.7万km走っただけだ。しかも徹底した納車整備と保証が付く認定中古車なのだから、それほど気にすることはない。実際、コンディションは上々だ。しかもアダプティブエアサスペンション仕様、さらに20インチ・アルミホイール、パノラマサンルーフなどの高額なオプションを満載しているのである。素のQ7 4.2FSI クワトロの新車価格は950万円だが、この個体は軽く1000万円は超えているとみて間違いない。ゆえに600万円はバーゲンプライス!
走行感覚にも簡単に触れておきたい。このV8は一言で言うと全域にわたって緻密なまわり方をするパワーユニットだ。特に高速走行では高級スポーティ・サルーンのフィーリングに近い。そして驚くほど速い! クルマ好きなら乗ると必ず「ハッ!」とする世界の最高水準にあるSUVと言えよう。
メルセデス・ベンツ/BMW/ポルシェ/VW、ドイツの強豪たちが次々とプレミアムSUV市場に打って出るなか、ひとり精悍の構えを崩さなかったアウディが、最後の“大物”として2006年にマーケットへ投入したQ7。日本には同年の秋に3.6FSIクワトロと4.2FSIクワトロが導入された。最大のトピックはその堂々たるボディサイズだ。全長は5085mm、全幅は1985mm! レンジローバーより大きいのである。なぜ、アウディがここまで大きいボディにこだわったのか。答えは3列目の居住空間。他のモデルでは“おまけ”的な存在の3列目が、Q7ではミニバン並みのスペースが用意されているのだ。さらに、Q7 4.2FSIクワトロは非常に高い動力性能を持っていることも忘れてはならない。350ps/44.9mkgというスペックは伊達じゃない。アウトバーンの左車線を悠々と走る実力を持っているのだ。開発陣がオンロード、特に高速走行に軸足を置いたのは明白だろう。ゆとりのキャビンスペースとポルシェ・カイエンSにも負けない動力性能を見事に両立させた新時代のSUV、それがQ7なのだ。
★全長×全幅×全高 5085×1985×1740mm ★車重 2370kg ★エンジン 4.2リッターV8DOHC ★最高出力/最大トルク 350ps/44.9mkg ★トランスミッション 6段AT(ティプトロニック) ★新車価格 ¥9,960,000(4.2FSIクワトロ・アダプティブエアサスペンション仕様)
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