さて、激戦を制して1位を獲得したのは、3.2リッターV6ユニットを搭載するポルシェ・カイエンのベースグレードだ。正規輸入が開始されたのは2003 年の秋だったから、取り上げた物件は最初期の個体である。それにしても470万円という価格には驚かされる。安い! 1~2年ほど前までは、相場が云々の前に、流通することがほとんどなかった超人気モデル。希に展示場に並ぶことがあっても新車と変わらないプライスボード が掲げられていたものだ。それでも引き合いが集中していた。市場が加熱していて、まっとうな相場というものが形成されなかったのである。昨年あたりから市 場はようやく落ち着き、カイエンV6は500万円台前半が下限となっていた。そして、今年になってさらに相場は下降線をたどり400万円台の物件も登場し 始めたというわけだ。ただし、相変わらず人気が高いので、1ヶ月を超えて展示場に並んでいることはないだろう。なぜ、カイエンV6がこれほど異常なまでの 人気を維持しているのか? 答えは、オンロード、特に高速道路でのパフォーマンスが、群を抜いて優れているからに他ならない。多くの人がポルシェのクレストを付けるだけの価値ある SUVと認めているのだ。実際、250psを絞り出すV6エンジンは、2トンを超えるボディを余裕で引っ張る実力を備えている。ポルシェファンの期待を裏 切ることは「ない」と断言しよう。
その人気から判断して、相場はこのあたりが下げ止まりとみていい。つまり、狙っている方はいまが買い時! ということ。早めの行動をお勧めしたい。
カイエンのベースグレード“V6”は、4.5リッターV8ツインターボの“ターボ”とその自然吸気版“S”の登場から1年後の2003年・秋にリ リースされた。搭載されたのは250ps/31.6mkgのパワーとトルクを発揮する3.2リッターV6の自然吸気NAユニット。ご存じのとおり、カイエ ンはVWトゥアレグと同じプロジェクトから生まれたSUV。サスペンションを含むプラットフォームやアウタースキンの一部などを共有している。トゥアレグ にも3.2リッターV6を積むモデルが存在するが、吸気系はポルシェのオリジナル、排気系ではキャタライザーこそ同じ部品となっているが、マフラーも異 なっている。また、燃焼室の形状やエンジン・マネジメントシステムもポルシェ独自のものを採用しているという。言うまでもなく、カイエンはバッジ・エンジ ニアの産物などではなく、ポルシェの技術者たちが全勢力を傾けてチューニングを施し、そして差別化を図ったSUV。だから、走行感覚には紛れもなくポル シェのテイストが息づいているのだ。もちろんVWトゥアレグとは「別物」と断言できよう。その高い人気が「ポルシェらしいSUV」であることを証明してい るのである。
2003年・ティプトロニックS ★全長×全幅×全高 4800×1950×1700mm ★車重2335kg ★エンジン 3.2リッターV6 ★最高出力/最大トルク 250ps/31.6mkg ★トランスミッション 6段ティプトロニック ★新車価格 659万円
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