TWINGO GTが入院中、Type2にて通勤しました。
ちょっと前から発進時や減速時(エンブレがかかった時)の一瞬、リアから「ガゴッ」と気になる音が時々してました。
りアシートの下にある物入れに入れた工具あたりが転がってる音だろうとタカをくくっていたのですが、この日メーターのジェネレーターランプが頻繁に点灯するようになり「もしかして?」と路肩にクルマを停めエンジンを点検すると案の定ファンベルトがみるからにユルユルの状態になっていました。だって~樽型に外側にベルトが膨らむほどユルイって・・・
このクルマ、2ヶ月ほど前に継続車検を取ってあり、その際に整備もお願いしたのですが、戻ってきたクルマのベルトのテンションがちょっと強めだったので気にはなっていたのですが、適正なテンションで張っておかないとこのようにすぐに伸びてしまうんですね~勉強になりました。
指で押してみるとこの通り20mm以上緩みがあります。
空冷VWエンジンの場合、このベルトはクランクプーリー(下のブーリー)とジェネレータープーリー(現車はオルタネーターに交換済み)につながっており、エンジンの回転で発電するようになっています。
ただ現代車と違うのは、この発電機センターのシャフトが後部にも貫通しており、ファンシュラウドという囲いの中のクーリングファンに接続されています。このファンで強制的にシリンダーに風を送りエンジンを冷やしています。
またファンシュラウド内部にはオイルクーラーも設置されており、こちらもこのファンの風で冷やしています。
つまり、このベルトがちゃんと調整されていなかったり切れてしまった場合、発電ができないだけでなくエンジンを冷やすことが出来ずオーバーヒートすることになります。
聞く話によると、恐ろしいことにクーリングファンが回っていない場合、ものの数分でエンジンが焼き付くという話もあり、こんなベルト1本でエンジンがおしゃかとかアリエナイ事が起こったりするので、空冷VW乗りはスペアのファンベルトは必ず車載しています。
さてさて、現代車のようにベルトテンショナーやオルタネーターの取り付けステー位置での調整などがない空冷VWの場合、知らないと一体どうやってベルトのテンションを調整しているのか?と思うかもしれませんが実際の交換、調整作業はさほど難しいものではありません。
まずジェネレータープーリーをばらします。
センターナットを外す為に、プーリーに切り欠きがあり、そこからドライバーを突っ込んで共回りを止めながら21mmスパナで緩めると簡単にバラスことができます。
プーリーは表裏の2枚重ねでできており、その間に薄いシム(スペーサー)が何枚か挟んであります。
ベルトのテンション調整はこのシムの枚数で調整します。
どういうことかというと、プーリーにはテーパーが付いており、表面と裏面の距離があれば(シム枚数が多ければ)その分ベルトはセンター寄りになりテンションが緩くなり、逆にシムの枚数を少なくすればテンションが高くなるよになっているのです。
何度かシム枚数を変更しながらテンションを調整します。
ちょっと面倒なところは、センターナットをちゃんと締めないと張りを見る事ができないため、何度も組んではバラシ、バラしては組むという作業をしなくてはいけない点です。
今回の作業自体は大体15分程度。
でもなぁあまり路上ではやりたくないですね~危ないし。。。
ということで、こんなことがないように日頃からちゃんと整備することが必要だと改めて思った次第です。
しかし、今回は調整だけでしたが、ベルトの周りにはベルトの削りカスがたくさん出ており、ベルト自体も見るからに痩せているような気がします。
やはり近いうちに新品に交換したほうが良さそうです。