前回お伝えしたとおり我が愛車(通称:萌えバス)は、バックファイヤーが原因で不動状態に落ちいってしまいました。
その場は応急処置にて無事帰還することが出来たのですが、いずれにしてもちゃんと修理しなくてはならない状態でした。
今回も車検や修理のお世話になっている目黒のガレージ・フォーチュンに出勤前に立ち寄りお願いしました。
ここは、空冷ワーゲンメインの修理工場で、有名ショップFLAT4の並びにあるので必要なパーツがすぐに用意できることと、工場にクルマの保管場所が無い関係で、入庫日時を事前に打ち合わせ〈相談)ておく必要がありますが、極力当日中には仕上げてくれるのでカンタンな修理であればその場で、ちょっと時間がかかりそうでも朝預けて夕方引き取りだったり、車検時などでも翌日または中1日で上がってくるので非常に助かっています。
そのときの状況を詳しく話すと、エンジンがしっかり温まっていない状態でフルスロットルしたためガス化できないガソリンで不完全燃焼しそのうえインマニ内で引火したためその爆圧でメクラ蓋が飛んでしまったようでした。
もともとそのメクラ蓋はオーバーホール時などのサービスホールではなく、製造時の加工のときに使う穴のようで通常はオーバーホールでもはずさない部分との事です。そのためオーバーホールキットなどにもそのパーツは含まれておらず、部品だけで入手することも難しそうでした。
それよりなにより、本来外れてはいけない部分がそのような原因で取れてしまったということで、仮に部品が有ったとしても修理できるのかもやってみなくては分からないといった状態でした。
修理が出来ないとなった場合キャブレターを交換することになるわけですが、もともと調子が悪いわけでは無かったので極力交換は避けたい気持ちがありました。
それは、一口に調整・セッティングといってもジェットの選定やニードルの調整、フロートレベルの調整などで上手くいけば今までより好調になるかもしれないけど、エンジン回転の上がり方やパワー・トルクの出方など今までとは変わってしまうからです。特にこのような古い車が1台1台乗った感じが違うのはそういうところも原因として有るのかもしれません。
それにキャブレターなどは新品に交換しても個体差があり取り付ける個々のエンジンとの相性のような物があることを今までの経験から感じていたし、なにより今までのこのクルマのクセやフィーリングが気に入っていたからです。
メカニックの方に見てもらうと外れた部分が破損も無くキレイだったこともあり、そのまま修理したほうが良いということになりました。そして、工場でストックしてあったキャブからその部分を外し取り付けてもらいました。
修理を終えエンジンを掛けるとあっけなくアイドリングしました。調子も今までと変わらずごく普通です。
エンジンの調子を見ていたメカニックの方に「調子よさそうですね~、毎日乗っているんですか?」と聞かれ「最近は1~2週間に一度くらいですかねぇ。出来るだけ週1回は乗るようにしてるんですけどね。」と答えると、それでコレだけちゃんとしてるんだったら良いですねと言われました。
僕は、ソコソコの状態を維持するコツは、あまりいじらないことだと思っていて、若い頃はこうしたら良くなるんじゃないか?ああしたらもっと良くなるんじゃないかといじりすぎ、かえって壊してしまうということが良くあったからです。調子の良いものはそのままにしておくことが、時間もお金も無駄にならない一番合理的な方法だと経験で学んだからです。
そんな事をかいつまんで言うと、やはり経験の浅いオーナーさんはいじり壊して修理に持ち込んでくるパターンが多いようで、何を一体どうしたのか?何をやったらこうなるのか?プロが見ても良く分からないグチャグチャな状態で持ち込まれたりするようです。
まぁそれも経験して自分で技術を身につけるか、僕のように黙ってプロに任せるか成長していくんだろうとは思います。
なにはともあれ、修理は完了し今までと変わらず我が萌えバスはバッサバッサと乾いた軽快なエンジン音を奏でています。